【10、仏壇や墓のこと】
子どもたちに託すこと
子どもたちは都会で結婚してローンで家を買い、子育てをしながら懸命に働いている。
故郷では母親がひとり暮らし。「それ、うちのこと?」と思う人も多いかもしれません。
この母親が老前整理を始めて気がつくこと。ものは捨てられるけど、先祖の墓や仏壇はど
うすればよいのかわからない。
自分があの世へいったら家や墓、仏壇はどうなるのか。この問題で夜も眠れないという
80代の女性がありました。
またこの相談をする人に共通するのは、まわりの人に相談できないことでした。
もちろん日々の暮らしのことは話せるでしょう。しかし墓や仏壇については近所の人や親
せきにも話しにくい。言えば、息子や娘に地元へ帰ってもらえと言われそうだがそんなこと
は子どもには言えない。
盆や正月に帰省してもゆっくり話もできない。かといって、いずれは帰ってくるのかと尋
ねて「帰らない」という答えを聞くのがこわい。
親がこうした不安を抱えていることを子どもは知っているでしょうか。
うちの親はまだまだ元気だからと思っているかもしれません。もし定年後は故郷で暮らそ
うと思っているなら、早く知らせておくことです。
逆に定年後も故郷に帰らないならば、墓や仏壇ひいては家のことをどうするか家族で話し
合ってください。
墓の場所を移すことや墓じまいについてはお寺に相談すればよいですし、ゆくゆくは都会
で親と一緒に暮らそうと思っているのなら、その計画を話す。
この場合、当然親の同意も必要です。お互いの希望を伝えたうえで、できることを一緒に
考えてください。
親が病床になってからでは聞けません、帰省が良い機会です。縁起が悪いと思わず、親が
元気なうちに話し合っておくことが備えであり、お互いの生活設計を具体的に考えることに
なるでしょう。
『転ばぬ先の老前整理』より
このHP1では伝えきれない! ⇒ もっと くらしかる HP2 は
◆「老前整理」は、(株)くらしかるの登録商標です。無断での商用利用はお断りします。