【20、ストレスに気づく】





 ものが増えた原因はストレスだった


 今、ストレスを感じていますかと問われたら、どう答えますか。ないという人は少数派か


もしれません。


 ではストレス解消法はどうでしょう。挙げてみると、食べる、のむ、買物、賭け事、ほか


には音楽を聴く、読書、旅行や山登りなどの趣味に没頭するなどがあるでしょう。


 50代の女性Jさんのストレス解消法は「買物」でした。






ある日、洋服の整理を始めて、自分がどれだけたくさんの買い物をしたか驚いたそうです。


押入れや段ボールの箱の中から、値札の付いた買ったことさえ覚えていない洋服や、バッグ


が山ほど出てきました。


必要だからでなく、買うことで仕事のストレスを解消していたのでそれなりの効果はあった


のでしょう。ストレスを「のむ」や「食べる」で解消していれば体を壊していたかもしれま


せん。


 問題はストレス解消のために買い物をしていることに何年も気づかなかったことです。


 もし早めに気づいたら、他のストレス解消法を探せたかもしれないし、ものを買わずに旅


行にでも行ったのにと思ったそうです。





 Jさんが気づいたのはそのことだけではありません。ストレス解消のために買ったものが


あふれてそれが「片づけないといけない」という更なるストレスを生んでいたのです。


 家族に「いいかげん何とかしたら」と言われると「仕事が忙しい」や「体調が悪いから」


と言い訳している自分にますますイライラする悪循環


 なぜものがあふれているのか、それがストレスの結果であれば、家の中のものを処分して


もいずれまた同じ状況に陥ります。


 このことに気づいたJさんは悩んだ末、ストレスを解消するには仕事を辞めるしかないと


早期退職をしました。


ものと同じでストレスも溜めこまない方がよいようです。






Kさんのストレス解消法は?


 50代のKさんは欠けたお皿や使わなくなった陶磁器類を箱に入れて溜めておきストレス


解消に使うそうです。


 パート先の上司や家族、夫の両親などに腹が立った時にベランダのコンクリートの上に


新聞紙を敷きつめ、そこへ茶碗や皿を「○○の大馬鹿」とか「コンチクショウ」と言いな


がらコンクリートに叩きつけるそうです。






 この時、ロックとかサンバなど賑やかな音楽をかけるとリズムに乗ってできるとか。


 想像するとこわいような、おかしいような気もしますが、ご本人いわく、これですっとし


て気持ちを切り替えられるそうです。


 これをしないとうじうじ考えて、いつまでたっても気持ちの整理がつかず、引きずってし


まうから。






 以前は買物をしたり、お酒を飲んだりしたこともあったけれど、ちっとも楽しくないし


お金の無駄使いだと思ったそうです。


 また家族や友人に他人の悪口や愚痴をこぼすと、その時は良くてもあとで言わなければ


よかったと思うこともあるのでこの方法が後腐れがなくて一番だそうです。


 食器を割ることを思いついたのは偶然で、たまたまベランダで素焼きの植木鉢を移動して


いた時に落として割ってしまった。


 その時の音と感触がよくて、試しに欠けたお皿を思い切りコンクリートにぶつけると気持


ちがいい。しかし使っているものを割ることはできません。


 そこでガラスのコップやお茶わんなど欠けたりひびが入ったものは箱に入れて溜めるよう


になりました。コンクリートにぶつけた破片は新聞紙を敷いてあるので処分も簡単です。


ストレス解消法も人それぞれですね。




『転ばぬ先の老前整理』より





     






















           




 

     

                                                                                            


                                                            





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