行動経済学と老前整理8

捨てられない心理



なぜ捨てられないのか

 老前整理で、「捨てられない心理」を行動経済学で説明すれば次の3つの理由が考

えられます。


「損失回避」

 これは得(プラス)と損(マイナス)を比べると、得をするより損をする方がショ

ックが大きいのです。これは洋服を失う時のみじめさは、洋服が手に入った時の幸福

感の2倍にあたるともいえます

 つまりまだ着られる(と思っている)洋服を捨てることは損に結びつくので手放せ

ないのです。そして損をするくらいなら、何も変えないほうがましだというわけです。


2、「保有効果」

 第一の損失回避の感情は保有効果につながります。保有効果は、一度ものを所有し

たら、それに高い価値を感じどうしても必要なものではなくても手放そうとしなくな

るのです。


3、「現状維持バイアス」

 偏りや傾向として心理学の「バイアス」ということばが出てきましたが、これは人

間がおかすエラーの中でも特定の状況で繰り返し起きやすいなエラーのことで、予測

が可能だということです。


 捨てられないのは、決断力がないからとか、ケチだからとか、ご自分を責めていま

せんか。

 こうして行動経済学で「捨てられない心理」を知ると、ものの見方が変わりません

か。

「私はこうして損失回避をしようとしている」とか、「手放したくないのは保有効果

ね」とか、「現状を変えたくない『現状維持バイアス』がかかっているけれど、本当

に現状でよいのかしらとか…」

 大切なのはここからどうするか、自分で考えていくことです。          

『老前整理の極意』より                       




【 行動経済学と老前整理 】


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