【手紙・日記】




トラブルにならないように

                         

 年賀状は「何年保管すればよいですか」という質問をいただきますが、手紙にこのよう

な質問はありません。この差を考えると、手紙は残しておきたいものとそうでないものが

はっきりしているからでしょう。そして大切な手紙はずっとしまいこまれているようで

す。

 2017年1月に、坂本龍馬が暗殺される直前に後藤象二郎に送ったとされる手紙の草

稿が見つかったとニュースになりました。

 しかし龍馬と違い、多くの人の手紙は他人にとり価値のないもので、不用意に残してお

いたがゆえに思いがけないトラブルの元になることがあります。

 夫が亡くなり、遺品整理を始めた妻が見つけたもの。それは夫の書斎の机の引き出しの

奥に保管していた、妻と結婚する以前の彼女からのラブレターでした。

 これを読んで妻が夫と同じ墓に入るのは嫌だと言い出した例があります。

 この話をどう思われますか。50年も前の手紙を後生大事にしまっておくなんて信じられ

ないと思う人。

 わかるなあ、若いころの思い出は大切だという人。

 そんな手紙を残しておいた夫が無神経で早めに処分しておくべきだったという人。

 妻と結婚する前の手紙なのだから騒ぎ立てる妻の方がおかしいと思う人。夫は手紙の存

在を忘れていたのではないかと思う人。

 見かたはいろいろあるでしょう。

 ただこのように昔の手紙でもトラブルが起こる可能性があるということを知っていただ

きたいと思います。

 とはいえ、手紙を書く人は減っています。パソコンや携帯のメールならば何十年も残っ

ている可能性はないでしょう。

 残るからトラブルにもなるけれど、かけがえのない大切な思い出なのかもしれません。

古い手紙の束も、一度見直してみてはどうでしょう。

 ブログ掲載「年賀状じまい」について



考えておきたいこと

 人に見られたくないものはなんでしょう。日記や手紙でしょうか。

 日記にまつわることについて今までにいくつか相談を受けました。

 70代のひとり暮らしの女性Aさんが、自分がいなくなった時に、日記を見られたくな

いがどうすればよいかという話。

 これは箱にでも入れて、蓋にこのまま廃棄処分にしてくださいと書いておき、ご家族、

ご親戚にその旨を伝えておくかでしょう。しかし、確実とはいえません。本当に読まれた

くないのであれば、早めに処分しておかれるのが間違いないでしょう。

 次は日記を残された立場です。40代の女性Bさんの悩みは亡き父親の日記で、押し入

れの奥に眠っています。

 Bさんにすれば、父親のものだから中を見ずに処分はできない。けれど仕事が忙しく、

段ボールの箱は夫の転勤の度にそのまま運んでいます。

 そこで、Bさんに尋ねました。「引っ越しのどさくさに紛れて、日記の入った箱が行方

不明になったらどうしますか。必死で探しますか」

Aさんは少し考えて、「探しません。多分、ほっとすると思います」

 また50代の男性Cさんは妻や娘には見せられないコレクションをどうすればよいか悩

んでおられました。

 自宅以外の場所に保管してあるそうです。万が一自分に何かあった時に、これを見られ

たらと心配しておられました。

 これは正直に家族に話すか、信頼できる友人に頼んでおくか、その時はその時と開き直

るかでしょう。

 またこれからはパソコンの中にも見られたくないものがあるかもしれません。

このように、万一の時に見られて都合の悪いものは何かということを考えておいた方が良

いかもしれません。

『転ばぬ先の老前整理』より                                                          



       

     


   

                                                                                                                                                   


               

             
                                                                                         






















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