NHKラジオ第2講座 こころをよむ  2018年4月〜6月 テキスト



■目次
第1回 片づけに必要な3つの力
第2回 誰のための整理なのか
第3回 なぜものが増えるのか
 〜行動経済学から考える〜
第4回 不合理な行動の理由をさぐる
第5回 行動をうながすテクニック 
 〜「ナッジ」を利用する
第6回 愛着のあるもの、価値のあるものを手放す
第7回 安全な暮らしを確保する
第8回 老前整理の裏メニュー
第9回 トラブルにつながる原因をさぐる
第10回 遺品整理をどうするか
第11回 ひとり暮らしに備える
第12回 これからの暮らしのために

赤字は新しい試みです。

■2018年4月 NHK出版 
■価格:本体762円+税

          



表紙のデザイン裏話
編集者からこのような3Dの提案があり、即OKしました。出版社の社内では従来のものと
イメージが違うと、賛否両論だったようですが、どうせならチャレンジしましょうと、編集者と
意見が合いました。この表紙、どうですか?

そんなバカな!と笑えるケース多し、たまには頭の体操も必要です。↓

第8回 老前整理の裏メニュー 内容
・宣言する
・環境を替える
 現在の半分の広さに引っ越す
 年に1回必ず引っ越す
 キャンピングカーで旅をしながら暮らす
 ホテル住まいをする
 家1軒分をすべて売る
・まずルールを決める
 お宝から処分する
 トランク一つに必要なものを詰める
 1日1つネットオークションに出品する
 独立した子に持って行かせる
 4つ以上持たない
 贈りものを辞退する
 友人と助け合う
 タンスや物置を捨てる
・増やさない
 ものを買わない
 1つ買ったら1つ捨てる
 バーゲンに行かない
・番外編
 リサイクルショップを開店する
 監視人を決める
 棚おろし
 北斎の場合
                                                                                                                               



災害時の「逃げる」判断について 

第11回 「ひとり暮らしに備える」より 抜粋

日常生活の不安

2017年3月30日に、大阪市は高齢の「ひとり暮らし」についての調査を発表しました.平成二八年度高齢者実態調査です。

この調査は高齢者世帯とひとり暮らし世帯を比較していますので、問題点もわかりやすく整理されています、この調査の質問の中から7問を選びましたので、ひとり暮らしかどうかに関わらず、みなさんにも各質問に考えていただきながら調査結果についてみていきたいと思います。

中略

■ 質問4、あなたは災害時・緊急時にひとりで避難が可能ですか。 

チェック   レ 答え

ひとり

暮らし

高齢者

世帯


避難できる 65.5% 71.1%

ひとりで判断出来るが、避難はできない 13.4% 11.2%

ひとりで判断はできないし、避難もできない 5.6% 5.6%

わからない 8.7% 6.6%
  災害時・緊急時に「ひとりで避難できる」と答えた人は、ひとり暮らし世帯で65.5%、高齢者世帯で71.1%ですから、およそ6割から7割の人はひとりで避難できると考えています。

 次に「ひとりで判断できるが避難はできない」がひとり暮らし世帯では13.4%で高齢者世帯では11.2%です。およそ1割ですね。「ひとりでは判断できないし、避難もできない」が、ともに5.6%です。

 ここで「判断」できることと「避難」できることは別だとわかりました。

 わたしたちはどちらかというと、「避難できない」=からだが動かないと思いがちですが、そればかりではなく、からだは動くけれど避難すればよいのかどうかがわからない人もいるのです。お隣のおばあちゃんは元気そうだから大丈夫だと思っていても、実は避難するかどうか判断に迷っているかもしれません。

 そこで「ひとりで判断できるが、避難はできない」「ひとりでは判断できないし、避難もできない人」を合わせた「避難できない」と答えた人に、手助けを頼める人の有無を質問しました。「いない」という回答がひとり暮らし世帯で46%、高齢者世帯で23.1%と、ひとり暮らし世帯が高齢者世帯のおよそ2倍でした。

 災害時の心配事では「避難情報がわからない」がひとり暮らし世帯29.5%、高齢者世帯28.5%と、割合はそれほど変わりません。

 この避難情報について、わたしも確かにわからないだろうと思った経験があります。

 2017年10月22日、衆議院議員の総選挙の投票日は、台風21号が北上していました。

 私が住む大阪市では10月22日19時48分に携帯に災害避難情報メールが届きました。このメールでは「避難準備、高齢者等避難開始 こちらは大阪市役所です。次の地域で避難準備、高齢者等避難開始を発令しました。大和川の水位が上昇。避難に時間がかかる方は、丈夫な建物の三階以上や避難所へ避難してください。地域○○○」

 このメールを読んでいるうちに、19時49分にまた避難準備・高齢者等避難開始、で避難地域が追加されたメールが届きました。そして21時59分、今度は大和川が危険な水位に到達したという避難勧告です。

 22時00分に先ほどより広い地域の避難準備勧告、22時01分に避難勧告、22時03分に避難準備勧告。2時間余りの間に6本の災害避難情報メールが届きました。

 この間、わたしはNHKのラジオ第一放送を聞いていました。台風の範囲は大きく、和歌山や滋賀、京都など他府県の情報は次々と流れましたが、大阪市の情報は流れませんでした。

 わたしの携帯には避難勧告のメールが届いたけれど、携帯を持たない高齢者にはどのような形で情報が届けられたのだろうかと思いました。一番早く避難を促されている人に、情報が届かないのでは不安になるのも当然だと思われます。この時、ご近所の人に避難警報が出ているから、逃げる準備をした方がよいと声をかけてくれる、避難の手助けしてくれる人がいるかどうかは重大な問題です。