行動経済学と老前整理4

無料に弱いと気づいてました?


無料がいかに強力か

 行動経済学者のダン・アリエリーが実験を行いました。

(ダン・アリエリー『予想通り不合理』ハヤカワ・ノンフィクション文庫より)

実験のためにアリエリーは二人の仲間と共に、チョコレートの販売を始めました。

(まずここから、親近感を覚えるでしょう?) 

 とてもおいしいリンツというメーカーのひとつ30セントのトリュフの高級チョコレートと、袋にたくさん入っているハーシーのキスチョコの2種類を用意し、「おひとり様ひとつまで」の張り紙を掲げ、近寄ると値段も目に入るようにしました。

 トリュフを15セント、キスチョコを1セントとして販売したところ、73%の人がトリュフ、27%がミニチョコを選びました。

次に、トリュフを14セント、キスチョコを無料で提供するとどうなったでしょう。

どちらも1セントずつ安くなっただけなのに、69%の人が無料のキスチョコを選びました。トリュフの人気は73%から31%に減りました。

 トリュフが15セントの時には、通常の価格30セントに比べて半額になったことがお得に感じる。しかし、キスチョコが無料になると69%が無料に飛びついてしまう。トリュフは先ほどの半額よりも、さらに1セント安くなったにもかかわらずです。

この反応の違いをどう思いますか。

 身近なことで「無料」だからと、必要のないものにまで手を出していませんか。

 この実験の話で、行動経済学のイメージが変わりませんか。

 私は、行動経済学が机上の学問ではなく、生活の中で気づきが得られる面白い考え方で、ひいては社会を変えるかもしれない可能性を含んでいると思っています。



『老前整理の極意』より、写真はこの本文中のイラストです。
わかりやすいイラストを描いてくださったのはイラストレーターの西村亜由美氏です。



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